報徳論
二宮尊徳・・・子供の頃は二宮金次郎さんで教えられた方も多いかと思いますが、
「何した人?」を説明出来る人は少ないのでは?
薪を背負って本を読んでいる人…くらいのイメージしか無いでしょうが、
今こそ二宮尊徳を見直し彼に学ぶ時であると提言します。
まず二宮尊徳は経済人であり思想家であった。
その生涯は、少年期に父母を失い、災害で没落した家を独力で再興。
この体験をもとに天地人三才の徳に報いることを説く報徳思想を形成。
また、家・村を復興して興国安民を実現する仕法を体系化した。
文政5年(1822)に小田原藩に登用され、天保13年(1842)には普請役格の幕臣となる。
関東とその周辺の諸藩領・旗本領・幕領・日光神領の復興や個別の家・村の再建を指導。
経済人としては、「尊徳仕法」という独特の標準化された手法を作った。
「尊徳仕法」とは、データに基づき、目標値を立て、実行計画を遂行していくという管理手法である。
現在の科学的管理手法に通じる。
また彼は最初の信用組、お金を貸し借りできる「五常講」を設立。
信用組合の発祥はドイツといわれていますが、尊徳はそれより40年以上も早く信用組合と同じ組織である
五常講を制度化し実施していた。つまり金融の仕組みを実践し金融を経済発展に使った。
また尊徳の生きた時代は、度々の飢饉で人口も伸びず、経済は疲弊している時代に、
数々の藩の財政再建と農業振興を両立させている。
特に新田開発を組織的に行うプロジェクトを数多く進めた実績を持つ。
あの時代で云えば新規事業での現状打破を成功させた経済人である。
その反面、報徳思想と言う道徳を教え、
経済と道徳の相乗効果を理解していた。
資本主義とプロテスタント思想との効果(アメリカの経済発展)を説いた、
マックスウェーバーより百年ほど前にである。
その報徳思想とは、自分の利益や幸福を追求するだけの生活ではなく、
この世のものすべてに感謝し、これに報いる行動をとることが大切で、
それが社会と自分のためになるというものです。
●至誠(しせい)
至誠とは真心であり、「我が道は至誠と実行のみ」という言葉の通り、
尊徳の仕法や思想、そして生き方の全てを貫いている精神です。
●勤労(きんろう)
人は働くことによって、生産物を得て生きていくことができる。
また、働くことを通して知恵をみがき、自己を向上させることができる。
●分度(ぶんど)
人は自分の置かれた状況や立場をわきまえ、それにふさわしい生活を送ることが大切であり、
収入に応じた一定の基準(分度)を設定し、その範囲内で生活すること。
●推譲(すいじょう)
節約によって余った分は家族や子孫のために蓄えたり(自譲)、
他人や社会のために譲ったり(他譲)することにより、人間らしい幸福な社会ができる。
●積小為大(せきしょういだい)
小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結びつくという教えです。
小事をおろそかにする者に、大事が果たせるわけがないと尊徳は説いた。
●一円融合(いちえんゆうごう)
全てのものは互いに働き合い、一体となって結果が出るという教えです。
例えば、植物が育つには水・温度・土・日光・養分・炭酸ガスなど、
いろいろなものの徳が融け合ってひとつになって育つ。
市場主義・経済原理をを理解し、プロジェクトリーダーとして人々を引っ張り
新しい事業に挑戦し、報徳思想で社会形成を説いた二宮尊徳。
災害の復興だけでなく、ダウンサイジング下での日本の経済・ビジネスのあり方・ヒントを学ぶには、
最も適した「日本人」だと思う。
質素・倹約・勤勉・勤労・挑戦
当方が思う「311」以降の日本のキーワード。
マーケティングプロデューサー
原テルキ










